小さい声でしゃべるおじさんは愛おしい

私は、「並ぶ」という行為がめちゃくちゃ苦手だ。
それが、そこにしかなく、その時しかない。となれば仕方ない気もするが、ラーメンで並ぶ。お得な買い物のために並ぶ。は無理だ。その時間を浪費するなら代替品で良い。と思う。
備蓄米の販売に何時間も並んでいる人の中に40~50代の方がいるのを見ると、タイミーで働け。と思う。

ところが、街中で行列に並ぶ人を観察していると、仏のような顔(無以上、喜未満の顔)をして並んでいる人を見かけることがある。並んだ先に訪れる待ちわびたモノとの対面を想像し悦に入っているのか。並ぶという行為に快感を得ているのか。 世の中にはいろんな人がいるのだ。

さて、先日、岩手に行ってまいりました。
初日、南部鉄器の「岩鋳」さんに訪問。
工場を改装し、超オシャレな店舗を開設。建屋内で若い職人さんが鋳物づくりをしています。
私たちは、若い職人さんに話しかけまくり、へ~へ~言っていると、奥から、すごい小さい声で説明をしてくれるおじさんが登場。訛りもあってほとんど何を言っているのか分からなかったが、このおじさんにどんどん愛着が湧いてきて、愛おしくなって、結局、まあまあ値段のする急須を買ってしまいました。
私も「いろんな人」の一人か。

南部鉄器の「岩鋳」さん

「岩鋳」さん 建物の南側は作業場
建物の南側は作業場

「岩鋳」さん 建物の北側が店舗
建物の北側が店舗

南部鉄器の「岩鋳」さん オシャレなディスプレイ
オシャレなディスプレイ

にしても、伝統工芸を、単なる伝統・芸術・文化に留めず、金銭的な価値あるモノとして昇華させ、世間に発信し、世間と接点を持ち、若い人が本当の「職人」になるためにやってくる。 企業価値を高める活動を何年も前から行っている岩鋳さん、関連組合は本当にすごい。